事業の概要 シンポジウム 出張授業
要旨 実施項目 実施体制

日米協力体制による研究者自身からの研究情報発信のモデル開発

 私達は、昨年度課題「科学技術インタープリターを活用した授業モデルの開発」 に取り組み実績を積みました。そして、昨年度の計画実施の際、「アウトリーチ活動に関する知見の共有」 や「研究活動との両立」「アウトリーチ活動についての経験やノウハウの不足」など様々な原因のために、 多くの研究者がアウトリーチ活動を継続して行うことが困難であることを痛感しました。
 そこで今年度は、研究者が様々な連携のもとに科学技術理解増進活動を行っている米国と協力することにより、 研究者および一般の人々の双方にとって効果的な情報発信モデルの開発を行い、研究者がアウトリーチ活動に 取り組む際の課題を克服することを目標とします。
 ときに、近年、日本の研究者の中には、出張授業やサイエンスカフェなどの PUR(Public Understanding of Research) という、研究成果を社会に還元・普及する活動について、熱心に取り組む人が増えつつあります。しかし、 PURの発想はどちらかといえば新しいものであるため、実践的な構想は未だ明確でない部分があります。
 この計画の主な目的は、日米両国の研究者が協力することにより、日本社会の現状に合わせた研究者自身からの 新しいアウトリーチ活動を展開することです。
 この目標を達成するため、10月23日に、両国の研究者等によるシンポジウムを開催することになりました。 シンポジウムでは両国のPURについて報告や意見交換を行い、両国の社会的文化的差異を踏まえたアウトリーチ活動に 関する共通点・相違点を把握することを目指します。
 次に、その知見を基盤として今冬、横浜市教育委員会、日本科学未来館との連携により、日本社会の現状に合わせた アウトリーチ活動を行います。
 そして、この計画を基盤として、両国による連携体制を構築し、より効果的で実践的なPURの研究および手法開発の 可能性を探ります。
 この計画を実施することにより、日本の文化や社会的土壌に根ざした研究者自身による研究者情報発信モデルを開発でき、 より効果的な科学技術理解増進を図ることができると 考えられます。一方、国際連携することで国に起因する相違点あるいは 共通点を把握することにより、より体系化した研究者情報発信モデルを開発できると考えられます。